高橋三千綱ホームページ



特別対談


■作家・高橋三千綱氏と投資家・三原氏の特別対談
  
 『カジノの達人が天才投資家に聞く”投資の極意”』から

 


高橋三千綱先生は、女性にもてる作家として名を馳せた方。女性投資家の会にもファンがいて、それぞれに
サインや握手を求める場面も。一見、厳しい表情で緊張しましたが、ニコリともせずにおっしゃるぶっきら
棒な言葉に、なぜか笑いを誘う温かみがあって、実に楽しい対談でした。無料でお越しいただいたと紹介さ
れると、即座に「そうなんですよ」と。それだけなのに、なんだかおかしくて皆、大爆笑。
「投資の話というのは、後で恨まれることがあっても感謝されることがない。何が悲しくて、わざわざやっ
てきてボランティアで話をしなければならないのか・・・・」と、怒ったような顔でおっしゃっても会員は
大笑い。でも、高橋先生が投資というもののきわどい側面をさらりと説明なさったことはわかっただろうか。
「通常、僕が女性に講演を頼まれたときは『男の理想、女の愛』などというテーマが多いんですが、皆さん
は関係ないかも知れないと思って(笑い)、日本のウォーレン・バフェットと思っている三原さんに頼んで
・・・」。

一方、高橋先生のご友人の三原勇先生は元証券会社の社員。香港で外国人の顧客に日本株を売る仕事をして
いたが、山一證券が倒産した年に独立。資産運用に驚異的な好成績を挙げながら、「あまりに上手く行った」
ことに恐れと疲れを感じて、クールダウンするために奥様と遍路の旅に出られたという、これまた元証券マ
ンとは思えない(失礼)、温和で素敵な紳士でした。
淡路島に居を構えて、ご夫婦ともども町おこしにも取り組んでおいでとか。ご同行なさった奥様は、美人で
スタイルが良くてソフトなのにキリっとして、と中年女性がこうありたいと思う理想そのままで、その意味
でも刺激的でした。

女性投資家の会は、高橋先生だけでなく三原ご夫妻にも、交通費はおろか講演料もお支払いしていません。
しかも打ち合わせのために、三原先生は数週間前にもわざわざ上京して高橋先生とホテルに一泊なさったと
か。私たちの会がいかに、代表の人脈の広さというか“ずうずうしさ(?)”で持っている会か、というこ
とを改めて実感した特別対談でもありました。

高橋先生のお話、「そもそも資産を一気に倍する方法があると思うのが欲深すぎる。倍にも十倍にもなった
という話はあるが、それは続かない。有名になった投資家の99%は哀れな末路をたどっている。」「僕は
カジノは好きでよく分かっているつもりだが、三原さんの話は、僕がカジノで実感していることと共通する
ところが多い。そのエッセンスを、女性の皆さんにどう説明したら分かってもらえるか、二人で相談した結
果を聞いてもらう。しかし、ただ聞いて真似をすれば、資産を増やせるというわけではない。カジノも株式
投資も本当のエッセンスはなかなか言葉で伝えられるものではない。それは、皆さん方がわれわれの話から、
自分で掴み取ってほしい。教えてもらおうという姿勢では何を聞いても無駄。」「さらに言うなら“投資は
才能だ”。ダメな人はダメ(笑い)。それも理解しておかなければならない」。

さらに高橋先生が「せっかくだから皆さんのために、これから上がる株を三原さんに特別教えてもらおうと
したのだが、女性投資家の会は自分で勉強するための会で、そういう安易なやり方はとらないと聞いたので、
やめます」とおっしゃると、会場から大きな嘆息が・・・・

三原先生は国際部に所属するなど、外国人が合理的に成長株を判断して投資成果を挙げるのを間近に見(た
とえば、彼らは早くからハイテク銘柄を買っていた)、投資の極意は、仕手株などのきわどい銘柄ではなく、
成長株を合理的に判断して長期に投資することに尽きる、と悟ったそう。
三原先生の話。「相場には変動がある。トレンドを見極めるのが大事。私はチャートを用いる。チャートを
見るとトレンドの変わる時期がある程度わかる。上昇基調に入ったときに買い、下降基調に変わったときに
売るのが理想的。チャートは本屋でも買えるが、自分で毎日つけるのが一番。勉強になるし、相場というも
のがなんとなくわかってくる。」

「相場の底から上がってくるときには、企業業績はまだ悪いが、金利が低く、そのために株価が上がってく
る。相場の春というべき時で、これを「金融相場」という。やがて、企業業績が改善し「業績相場」の夏に
なるが、そのうち金利が上がってくると「逆金融相場」、企業業績にも響いて「逆業績相場」と秋・冬が訪
れる。このように相場変動のパターンを四季になぞられて説明したのが有名な浦上理論。
一番株価が成長するのは金融相場。最近で言えば、98年3月、チャートのトレンドが変わって、買いサイン
が出、金融機関の株価が数週間で、倍にも三倍にもなり、99年から2000年にかけてはITバブルでソフトバ
ンクやヤフーの株価が100倍にもなった。景気は悪かったがITバブルが起きた。これは100年に1度の大相
場ではなかったか。2003年からは業績相場が始まったが、私は年内にチャートが天井をつけ、売りのタ
イミングになると思っています。」

とはいえ、高橋先生はこうおっしゃる。
「しかし、タイミングをつかんで波に乗るのも、どの銘柄に投資するかも、最終的には“勘”だと思う。タ
イミングをつかみ力、銘柄を見抜く力はどうやれば身につけられるか?」。
三原さんのご返事「ある程度は訓練できるかもしれないが、特に売りは簡単ではない。ソフトバンクも20万
円近くまで行ったものが800円ぐらいまで落ちた。これを天井で売れるかどうか。皆が良い、良いと囃して
いる最中に売る決心をするのは、非常に難しい。勉強したからと言ってできることではない」。
こう言われて、自分ができるかどうか考えると、なるほど投資は難しいとしみじみ理解できました。

さらに三原先生の話。
「私は10%損切りルールというのを実行している。買値より10%下がったら売ってしまう。素人の方はなか
なか損切りができず損を大きくしてしまう。そのためにも、ともかく毎日自分の持っている株の値段をチェ
ックすること。体重と同じです(笑い)。NHKの『ためしてガッテン』という番組で、毎日体重を計ってグ
ラフに書くだけでダイエットに成功するという話をしていた。目を逸らせないで直視(笑い)することがと
ても大事なのだが、株価が下がってくると逆に見なくなる、これは危ない(笑い)」。

「私は、ピラミッディングというやり方も実践している。普通は、保有株が上がってくると、もっと大きく
買い増したりするのだが、それでは平均単価が上がってしまう。私は買い増すときも、ピラミッドのように
上がれば上がるほど株数を減らす。そうすれば、値が下がった時の痛手が小さい。同じ理屈からナンピン買
いはしません」という三原先生に、高橋先生が「カジノでもまったく同じ。負けて損をしても勝つまでずう
っと倍々に張り続ければ、最後には必ず大きく取り戻せるとよく言う。でも、これは大間違い。ものすごく
リスクが大きいのに、儲けは最初の僅かな掛け金だけ。たとえ勝つまで資金が続いたとしても率が悪すぎる
し、大体ふつうは資金が続かない。資金が続かないときは悲惨で、自殺した人もいる」と。数学的に証明で
きるらしい。

株式は、単なるギャンブルと違って、これからの経済がどうなるかという見通し、ファンダメンタルズが、
一番重要な要素になる。でも注意が必要と三原先生。「ファンダメンタルズとは言っても、専門家でなけれ
ばなかなか判断できない。株価が先行指標といわれるのは、先に分かった人が株を買うからだ。現実の経済
の動きが新聞に発表される段階では株価は十分織り込み済みである。発表の段階では相場は終わっているの
だ。早くから買った人が、新聞発表を待って処分するくらい。ITにしても皆が囃すときには、すでに十分上
がり終わった後だ」。

高橋先生からも「新聞に良いニュースが載ったのに株価は下がることが良くあるというのはそういうことで
すね。野村の日本戦略ファンドは、まさにITバブルの頂点でIT銘柄を組み入れたから、後は下がるだけだっ
た。買った人は大損だったが、彼らはそれでも構わない。手数料を稼ぐのが目的だから。証券会社がファン
ドに組み入れたら、その株の相場は終わりだと考えてよい(笑い)」と具体的(?)アドバイス。「この話
だけでわれわれが証券会社の回し者でないことがわかる(笑い)」

紺谷代表が「今日のお二人の話を聞いて、なぜ私が大損してばかりなのかよく分かりました(笑い)」と締
め、最後まで爆笑の特別対談でした。
「楽して儲かる方法」がないと分かったのはちょっぴり残念だったけど。
(事務局がまとめました)


■上記の文章は「女性投資家の会」会報30号(2005年6月)に掲載されていたものです。
了承を得て当ホームページ上に掲載させていただきました。

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